diversity of possibilities

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6次化ファンドへの期待

6次化ファンドについて少し調べ物。

6次化ファンドというと、何やら新しい仕組みか?と思いがちだけど実際には「6次産業化」や「農商工連携」という言葉、取り組みの歴史は意外に古い。

 

ファンドについて詳しい人と話して感じたこととしては、地域振興に向けた取り組みともかなり強い連関を感じる。

これまでの地域振興、活性化に向けた取り組みの多くは、活動団体の負担がない10分の10(助成率100%)をいかに活用するか、という視点だったように思う。しかし、これだと結局自分たちの懐を痛めない=リスクがないので本当に持続した形で残るものは少数だった。

 

こういう状況が続く中、個人的に感じてきたことがひとつ。

本当に地域を何とかしたいと思うのなら、少なくとも他人の金だけを当てにしててはダメだということ。

言い換えれば、自分たちでも出資なり手出しをして、失敗したらその分は戻らない、ロスになるというリスクを抱えて取り組まなければならない、ということ。

 

ただし、10分の10が絶対悪いというわけじゃない。結果を出してきている取り組み、地域もまた多くある。隠岐ジオパークもその好例。ちなみに、個人事業主や個人商店主が活動の中心にいる場合、彼らが本業を脇においておいてでも地域活動に取り組むケースは多々ある。それは単純な「手出し」ではないが、本来なら稼げたはずの儲けを放棄してまで取り組んでいる、という意味ではリスクを取っているといえるかもしれない。いわゆる「機会損失」というヤツ。リスクテイクという意味では、この文脈を忘れがちだけど、非常に大事だと思う。

 

とは言え、隠岐ジオパークも、こっから先はリスクテイクしながら、やっていく姿勢が求められるだろう。

 

6次化ファンドというのは、このようなリスク回避ではなく、主体的に取り組むためのある意味での覚悟を求める仕組みである、と読み替えることもできる。どのような事業アイディアが出てくるかはわからないが、リスクを正確に分析・評価した上で出資する、という事業者が出てくると、また一つ大きく変わるのかもしれない。

 

隠岐だったら、できれば漁業と加工だけでなく流通とも組んで大きなコミュニティシフトを起こしてほしい。隠岐近海で捕れた魚を境港に揚げて逆輸入、なんてことじゃなく、隠岐に水揚げして本土に輸出する、地域でも安価に消費する、ということが6次化の過程でできたら、いいなぁ。